アリゲール(その他表記)Aliger, Margarita Iosifovna

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アリゲール」の意味・わかりやすい解説

アリゲール
Aliger, Margarita Iosifovna

[生]1915.9.24. オデッサ
[没]1992.8.1
ソ連の女性詩人。ユダヤ系の家庭に生まれ,1937年にゴーリキー文学大学を卒業。詩集『生まれた年』 God rozhdeniya (1938) ,『この年の冬』 Zima etogo goda (1938) ,『鉄道』 Zheleznaya doroga (1939) などを相次いで発表して詩壇に登場。第2次世界大戦中に書かれた抒情的叙事詩『ゾーヤ』 Zoya (1942) は,ドイツ軍によって処刑されたパルチザンの少女,ゾーヤ・コスモデミンスカヤの英雄的な生涯をうたったもので,戦争文学の傑作とされている (スターリン賞) 。戦後の詩集としては,『最初のきざし』 Pervye primety (1948) ,『レーニン丘』 Leninskie gory (1953) などがある。 1957年にフルシチョフによって「修正主義的偏向」を批判されたが,その後も「雪どけ」派の詩人として活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリゲール」の意味・わかりやすい解説

アリゲール
ありげーる
Маргарита Иосифоновна Алигер/Margarita Iosifonovna Aliger
(1915―1973)

ソ連の女流詩人。1937年ゴーリキー文学大学卒業。作品は1933年から発表。第一次五か年計画の先進的青年像をうたった処女詩集『生誕の年』(1938)や、詩集『鉄道』(1939)、『石と草』(1940)などのうちで、いわゆる叙情的主人公の内部世界を深く多面的に発掘している。代表的叙事詩『ゾーヤ』(1942)は、対独パルチザンに参加した女学生ゾーヤ・コスモデミンスカヤをうたったもので、1943年度スターリン賞を受けた。ほかに戯曲『真実の物語』(1945)、叙事詩『最初の雷鳴』(1947)、詩集『最初のきざし』(1948)、『レーニン丘』(1953)などがある。

草鹿外吉

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