アルシノイテリウム(その他表記)Arsinoitherium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルシノイテリウム」の意味・わかりやすい解説

アルシノイテリウム
Arsinoitherium

新生代古第三紀始新世から漸新世のエジプトに生息していた草食の哺乳類。この絶滅動物は,祖先形らしい化石も発見されず,子孫もなかったように思われる重脚類と呼ばれる動物で,地質時代でも類縁関係でも孤立した謎の動物である。属名は発見地付近に神殿を建てたアルシノエ女王の名に由来。体長 3~4mに及ぶ巨大動物で,背はいまのサイよりも高く,肢はいまのゾウほどに強い。非常に太い骨性の角が左右一対,平行に強く突き出ているが,それらの角は根もとで互いにつながっており,頭骨の上で鼻孔のあたりから脳頭蓋の中央部あたりまでを占めている。角の後ろのほうにも,それぞれ角に似た出っぱりがある。2本の角は,若いときは軟骨で年老いると骨化した。角は,いまのサイの角のように使われた。歯列は切歯から奥の大臼歯まで一つにつながり,頬歯の歯冠は非常に高く,大臼歯の歯冠には明らかな横走稜が発達していた。歯のつくりからみると,湿地や沼沢に生える硬い植物を食べていたと考えられる。大英博物館や,上野の国立科学博物館に組み立て骨格が展示してある。

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