始新世(読み)シシンセイ(その他表記)Eocene

翻訳|Eocene

精選版 日本国語大辞典 「始新世」の意味・読み・例文・類語

ししん‐せい【始新世】

  1. 〘 名詞 〙 地質時代の時代区分の一つ。新生代第三紀を五つに分けた最初から二番目。今から約五四〇〇万年前から約三七〇〇万年前までの約一七〇〇万年間。貨幣石などの高等有孔虫類や二枚貝類が繁栄した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「始新世」の意味・わかりやすい解説

始新世
ししんせい
Eocene

地質時代の時代区分の一つで、新生代の古第三紀を三つに分けたときの初めから2番目の時期。およそ5600万年前から3390万年前までの時代をいう。始新世に形成された地層を始新統という。気候は現在よりも著しく温暖で、高海面期にあたる。動物界の哺乳(ほにゅう)類ではウマやゾウの祖先型が出現し、大形のものも現れた。しかし、現在と共通する動物の種はまだきわめて少ない。植物界ではカエデ、ブナ、ヤシなどが増加した。

[山口寿之 2015年8月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「始新世」の意味・わかりやすい解説

始新世
ししんせい
Eocene Epoch

地質時代年代区分の一つ。新生代古第三紀で 2番目に古い。1832年チャールズ・ライエル命名。約 5600万年前から約 3390万年前の期間。貨幣石(ヌムリテス)などの大型有孔虫類二枚貝類とともによい示準化石となっている。日本のこの時代の地層は太平洋側に地向斜性の堆積物として形成されたが,北九州北海道では石炭層を含む内湾性ないし湖沼性の地層で代表される。ヨーロッパアルプスでは地向斜が最終的段階になり,フリッシュ性の堆積物が厚く堆積した。

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最新 地学事典 「始新世」の解説

ししんせい
始新世

Eocene(Epoch)

新生代古第三紀を3分した2番目の世。56.0〜33.9Ma。英語名のEoceneはεοζ=dawn,καινοζ=recentに由来。C. Lyell(1833)が西部ヨーロッパの第三系を,含まれる貝化石の現生種の比に基づき4分した際の最古の世であったが,その後漸新世と暁新世が提案され,始新世の範囲は縮小。古い方からイプレシアン(Ypresian),ルテシアン(Lutetian),バートニアン(Bartonian),プリアボニアン(Priabonian)の4期に区分。示準化石としてはヌンムリテスが有名。55.0Ma前後に急激に気温が上昇し,この出来事を暁新世─始新世境界温暖極大期という。一方,始新世末から漸新世初頭にかけての温度低下を始新世終末事件と呼ぶ。

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百科事典マイペディア 「始新世」の意味・わかりやすい解説

始新世【ししんせい】

古第三紀を3分した場合の中期の地質時代名。5650万〜3540万年前。最初,ライエルによりパリ盆地ロンドン盆地の第三系を模式として命名された。後に上部の一部と下部の一部は,それぞれ漸新世,暁新世に編入された。
→関連項目ウインタテリウム第三紀ヒラコテリウムブロントテリウムメソヒップス

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改訂新版 世界大百科事典 「始新世」の意味・わかりやすい解説

始新世 (ししんせい)
Eocene

地質時代の区分の一つ。新生代第三紀の古い方から2番目の小区分で,約5500万年前から3800万年前までの時代。原始的な哺乳類が大発展した時代で,ウマ類や長鼻類の祖型も出現した。世界的な海進期であり,気候が著しく温暖で,温帯林が現在の北極海周辺地域にまで広がり,北ヨーロッパや北海道などにも亜熱帯林が生育していた。しかし始新世の末期になると南極大陸上に氷河の形成が始まり,寒冷化のきざしが現れている。
地質時代
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世界大百科事典(旧版)内の始新世の言及

【古第三紀】より

…この時代は大型有孔虫のヌンムライト(貨幣石)の化石が多いため,フランスなどでは貨幣石紀とよぶ。古第三紀は古いほうから,暁新世,始新世,漸新世に三分され,暁新世と始新世の境界は5500万年前,始新世と漸新世の境界は3800万年前とされる。古第三紀は原始哺乳類の時代で,現在みられる哺乳類の多くのグループの祖先型が出現した。…

※「始新世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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