アルシノエ2世(読み)アルシノエにせい(英語表記)Arsinoē II

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルシノエ2世」の意味・わかりやすい解説

アルシノエ2世
アルシノエにせい
Arsinoē II

[生]前316頃
[没]前270.7.7.
エジプトプトレマイオス朝時代の女王。プトレマイオス1世ソテルの娘。クレオパトラ7世と並ぶプトレマイオス朝の女傑。前 300年トラキア王リュシマコスの妻となり,わが子を王位につけるため,先妃の子アガトクレスに反逆の罪を着せ,処刑させた。このため内乱となり,セレウコス朝との戦争に発展,前 281年リュシマコスが戦死するとエジプトの兄プトレマイオス2世フィラデルフォスのもとに逃れた。しかしここでも策を弄して王妃アルシノエ1世を陰謀かどで追放させ,兄と結婚,権勢の拡大に努め,夫とすべての権限を共有し,多くの都市にみずからの名を冠した。死後,女神とされ,大神殿アルシノイオンが建立された。

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