ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレクシウス3世」の意味・わかりやすい解説
アレクシウス3世
アレクシウスさんせい
Alexius III Angelus
[没]1211
ビザンチン皇帝 (在位 1195~1203) 。兄のイサキウス2世に対する軍の反対皇帝として立ち,兄を監禁して即位。権力欲のみ強い軟弱かつ無能な統治者。第2ブルガリア帝国に対する遠征に失敗 (1195,96) ,帝国の崩壊の速度を速めた。第4次十字軍による首都コンスタンチノープル占領直前に亡命 (1203) ,トラキア,エピルスなど転々とし,最終的には小アジアのルーム王国のスルタンのもとに身を寄せた。ニカイア帝国のテオドルス1世が婿であったことから,スルタンの協力のもとに王位の禅譲を迫ったが失敗,逆にニカイア軍の捕虜となり (10) ,修道院に送られ,そこで没した。
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