ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオドルス1世」の意味・わかりやすい解説
テオドルス1世
テオドルスいっせい
Theodorus I
[没]649.5.13. ローマ
エルサレム出身の第73代教皇(在位 642~649)。ギリシアの出自。教皇の職務のほとんどはキリスト単意説との闘いに捧げられた。単意説は,キリストには単一の意志しかないと主張する,ローマ教会にとっての異端で,東方教会では依然として勢力を保っていた。テオドルス1世はコンスタンチノープル総大主教に就任したパウルスを教会法に基づいていないとの理由で承認せず,パウルスと前任者のピュロス1世が再び単意説を主張すると,648年にピュロス1世を破門,649年にはパウルスを解任した。厳格な人物であったが,貧しい者に寛容であったことが知られている。
テオドルス1世
テオドルスいっせい
Theodorus I Lascaris
[没]1222
ニカイア帝国皇帝 (在位 1204~22) 。 1204年4月 13日の第4次十字軍の首都コンスタンチノープル占領後,首都の貴族ラスカリス家のテオドルスは小アジアのニカイアに逃れ,ここにニカイア帝国を建て,初代の皇帝として即位。 11年にはルームのスルタン軍を破り,14年小アジアのニムファイオンでラテン帝国と和平条約,19年にはベネチア共和国と友好条約を結び,小アジアでその地位を確立した。
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