日本大百科全書(ニッポニカ) 「アワノメイガ」の意味・わかりやすい解説
アワノメイガ
あわのめいが / 粟野螟蛾
oriental corn borer
[学] Ostrinia furnacalis
昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。アジアからオーストラリアに広く分布し、日本全土にごく普通にみられる。成虫ははねの開張30ミリメートル内外で、夜行性でよく灯火に飛来する。幼虫は、トウモロコシ、アワ、キビ、ムギなどイネ科植物を食べる害虫で、寒地では年1回、暖地では年3回発生するなど、地域によって変化がある。食草の茎の中に食入し、食入口から虫糞(ちゅうふん)を糸でつづって出す習性がある。トウモロコシなどの出穂していない穂についたり、また、実に入ることもある。1970年以前は、ヨーロッパに分布するオステリニア・ヌビラリスO. nubilalisと同一種とされていたが、形態的な違いから、アジアのものは別種とされた。ヨーロッパ産種は、幼虫の食草も習性もアジアのものとかなりよく似ている。
[井上 寛]