日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンボアーズの陰謀」の意味・わかりやすい解説
アンボアーズの陰謀
あんぼあーずのいんぼう
Tumulte d'Amboise
1560年3月、熱烈なカトリック支持者であったギーズ一門の手からフランスの若き国王フランソア2世を奪回するために新教徒(ユグノー)が企てた陰謀事件。陰謀の首領は新教に帰依した貴族ラ・ルノーディであったが、背後にはルイ・ド・コンデ親王がいたとも伝えられる。当時宮廷があったアンボアーズの王城に新教徒が向かっていたとき、パリ高等法院弁護士ピエール・デザベネルの裏切りによって陰謀が発覚、ラ・ルノーディは殺され共謀者たちも処刑された。事件は、なかば個人的、なかば政治的な企てのように思われ、明らかに改革派とみられる聖職者は、事件の責任者のなかには見当たらない。
[志垣嘉夫]