日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモノ塩基」の意味・わかりやすい解説
アンモノ塩基
あんものえんき
ammono base
アンモノ化合物のうち、液体アンモニア中で塩基とみなすことのできる化合物。たとえば金属のアミド、イミド、窒化物などがそうである。アクア化合物では金属の水酸化物、酸化物、たとえば水酸化ナトリウムNaOHや酸化カルシウムCaOなどが塩基であるが、液体アンモニア中では、たとえばこれに対応するリチウムアミドLiNH2、リチウムイミドLi2NH、窒化ナトリウムNa3Nなどが塩基である。すなわち、これらの溶液は、水中での塩基ときわめてよく似ており、電気を導き、指示薬によってpH変化を示し、重金属の塩類と反応して、アミド、イミド、窒化物などをつくる。またアンモノ酸と反応してアンモノ塩をつくる。
[中原勝儼]
[参照項目] |