アンモノ塩基(読み)アンモノエンキ

化学辞典 第2版 「アンモノ塩基」の解説

アンモノ塩基
アンモノエンキ
ammono-base

液体アンモニア中で塩基としてはたらくものをいう.ブレンステッドの定義では,H をとるものが塩基であるから,金属アミドイミド窒化物など,液体アンモニア中で H をとるものがその例である.たとえば,KNH2は水溶液中のKOHに相当する.

    KOH + H2O → K(H2O) + OH

    KNH2 + NH3 → K(NH3) + NH2

NH2は水溶液中のOHに相当する.水溶液中の塩基と同様に指示薬変色,導電性を示し,アンモノ酸中和反応によりアンモノ塩を生成する.

    KNH2 + NH4Cl → KCl + 2NH3

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンモノ塩基」の意味・わかりやすい解説

アンモノ塩基
あんものえんき
ammono base

アンモノ化合物のうち、液体アンモニア中で塩基とみなすことのできる化合物。たとえば金属のアミド、イミド、窒化物などがそうである。アクア化合物では金属の水酸化物、酸化物、たとえば水酸化ナトリウムNaOHや酸化カルシウムCaOなどが塩基であるが、液体アンモニア中では、たとえばこれに対応するリチウムアミドLiNH2、リチウムイミドLi2NH、窒化ナトリウムNa3Nなどが塩基である。すなわち、これらの溶液は、水中での塩基ときわめてよく似ており、電気を導き、指示薬によってpH変化を示し、重金属の塩類と反応して、アミド、イミド、窒化物などをつくる。またアンモノ酸と反応してアンモノ塩をつくる。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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