イオン分極(読み)イオンブンキョク

デジタル大辞泉 「イオン分極」の意味・読み・例文・類語

イオン‐ぶんきょく【イオン分極】

電界作用を受けて、イオン結晶内の正負イオン塩化ナトリウムならば、Na、Cl)の位置変位することで生じる誘電分極。特に電子移動に伴う電子分極に対していう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イオン分極」の意味・わかりやすい解説

イオン分極
イオンぶんきょく
ionic polarization

界面分極ともいう。外部から電場を受けているイオン結晶の陽イオン陰イオンがそれぞれ反対側に変位され,誘起される誘電分極の1種。イオン分極は,静電場または低周波電場に対しては分極への寄与が大きいが,可聴周波数以上の高周波電場に対してはイオンの運動がついてゆけないので分極への寄与はない。

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世界大百科事典(旧版)内のイオン分極の言及

【電気分極】より

…このように,外部電場の作用で,誘電体内の電荷が正,負の極に分かれる現象を電気分極といい,端面に現れた電荷を分極電荷という。 誘電体の電気分極は,それが生ずる原因によって,(1)電子殻が原子核に対して相対的に変位することによる電子分極,(2)イオン結晶において,正イオンと負イオンが相対的に変位するイオン分極,(3)永久双極子モーメントをもつ分子(これを有極性分子という)または基が電場の方向に配向することによって生ずる配向分極の三つに分類される。
[電気分極の大きさ]
 電気分極の大きさは,端面の単位面積当りの分極電荷の量,すなわち分極表面電荷密度wpで表すことができる。…

※「イオン分極」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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