ロシアの外交官、政治家、伯爵。古い貴族の家柄に生まれ、1856年から外交官として活躍。1859年特命大使として清(しん)国に派遣され、1860年北京(ペキン)条約を締結した。1861~1864年外務省アジア局長、1864~1877年駐トルコ大使を務めた。1878年ロシア・トルコ戦争後のサン・ステファノ条約の準備にあたっては積極的に活躍し、ロシアに有利な条約を結んだ。しかし同年のベルリン会議でこれが不利なものに変更されるとともに、外交官としてのイグナチエフの経歴も終わった。アレクサンドル2世の暗殺後、1881~1882年内相として反動政策を推し進め、革命運動を弾圧した。
[外川継男]
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