いざさせ給え(読み)イザサセタマエ

デジタル大辞泉 「いざさせ給え」の意味・読み・例文・類語

いざさせたま

《「させ給え」は、その上に来るはずの動詞を略したもの。「給え」は尊敬補助動詞給う」の命令形
さあ、やってごらんなさい。
見所あらむ御かたち見出でて、―」〈宇津保・内侍督〉
さあ、いらっしゃい。
「―、湯あみに。大夫たいふ殿」〈宇治拾遺・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「いざさせ給え」の意味・読み・例文・類語

いざ させ給(たま)

(「させ給え」は尊敬で、その上に来るはずの動詞を略したもの)
① 何かの動作をすすめる場合に用いる。さあなさいませ。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「見所あらん御かたち見出でて、いざさせたまへ」
義経記(室町中か)三「いざさせ給へ。武芸につけて勝負次第に賜はり候はん」
② 特に、人を誘う場合に用いる。さあいらっしゃい。
今昔(1120頃か)二六「去来(いざ)、させ給へ、大夫殿、東山の辺に湯涌(わか)して候ふ所に」
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「立ち寄りいさめ慰(なぐさめ)て、いざさせ給へ、と御手を引」
[補注]「いざさせ給へ」は「いざ給へ」よりも丁重な言い方とされる。

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