ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イドリーシーの世界図」の意味・わかりやすい解説 イドリーシーの世界図イドリーシーのせかいずIdrisi's world map 中世におけるイスラム地理学の発達に伴って,イドリーシーが 1154年作成した世界地図で,『ロジェールの書』の付図。地図の方位は南を上にしてあり,陸地の形,山脈,河川の配列はプトレマイオスの世界地図によっているが,アジアについてはイスラム地理学の知識が取入れられ,新たにアラル海が描かれ,インド洋は外海につながる海として描かれている。マレー半島,セイロン,スマトラ,シナの先にはシラ (新羅=朝鮮半島) ,ワクワク (倭国=日本) を記載。日本が載った最初のヨーロッパの地図といわれる。しかし,この地図は 1592年ローマで印刷されるまで未公開で,近世初頭のヨーロッパでつくられた世界図へ直接の影響はなかった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by