外海(読み)ガイカイ

デジタル大辞泉 「外海」の意味・読み・例文・類語

がい‐かい〔グワイ‐〕【外海】

周囲陸地などに囲まれていない海。また、陸地から遠く離れた海。そとうみ。「外海に出る」⇔内海ないかい
海外の地。外国
[類語]海洋大洋大海海原領海公海大海原青海原内海うちうみ内海ないかい外海そとうみわたつみ外洋沿海沿岸近海遠海遠洋絶海四海七つの海

そと‐うみ【外海】

湾や入り江ではなく、陸地の外側に広がる海。また、陸地から遠く離れた海。外洋。がいかい。⇔内海うちうみ
[類語]外洋海洋大洋大海海原領海公海大海原青海原内海うちうみ内海ないかい外海がいかいわたつみ沿海沿岸近海遠海遠洋絶海四海七つの海

げ‐かい【外海】

仏語。須弥山しゅみせんを巡る九山八海のうち、外側の第八山と第九山(鉄囲山)との間にある塩水の海。

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精選版 日本国語大辞典 「外海」の意味・読み・例文・類語

がい‐かいグヮイ‥【外海】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陸地の外側にある海。そとうみ。⇔内海
    1. [初出の実例]「以外海上」(出典:武備要略(1794))
  3. ( 遠い沖合の海の意から ) 海外の地。外国。
    1. [初出の実例]「外海通商の厳禁に制せられ広く域外の人に交はるを得ず」(出典:条約改正論(1887)〈小野梓〉一)
    2. [その他の文献]〔宋書‐夷蛮伝・倭国〕

げ‐かい【外海】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。須彌山(しゅみせん)をめぐる九山・八海のうち、第八山と、第九山の鉄囲山(てっちせん)とに囲まれた塩水の海。他の七海を内海という。
    1. [初出の実例]「第八外海(ケカイ)の小龍めら、四大海水の八大龍王に仰せ附けて、なく成すべしとて、嗔りける」(出典:源平盛衰記(14C前)一八)
    2. [その他の文献]〔倶舎論‐一一〕

そと‐うみ【外海】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陸地の外側の海。湾・入江などに対して、陸地に囲まれていない海。がいかい。⇔内海(うちうみ)
    1. [初出の実例]「錠よ綱よ揖よ日和見〈西花〉 外(ソト)海をいそぐ事にて候はず〈西友〉」(出典:俳諧・西鶴五百韻(1679)何秤)
  3. 陸地から遠くはなれた海。外洋。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外海」の意味・わかりやすい解説

外海
そとめ

長崎県南部、西彼杵(にしそのぎ)郡にあった旧町名(外海町(ちょう))。現在は長崎市北西部の一地域。旧外海町は1955年(昭和30)神浦(こうのうら)、黒崎(くろさき)の2村が合併、外海村となり、1960年町制施行。2005年(平成17)長崎市に編入。旧町域は、西彼杵半島の西岸に位置し、池島(いけしま)などの島嶼(とうしょ)を含む。角力灘(すもうなだ)を臨む海岸沿いに国道202号が走る。16世紀末からキリシタンの本拠地で、出津(しつ)、黒崎地区はほとんど全戸カトリックである。明治初年、ド・ロ神父Marc Marie de Rotz(1840―1914)によって布教救済事業が行われ、大平(おおだいら)には開墾地、出津には出津教会や養老院など、神父ゆかりの施設があり、一帯は出津文化村となっている。旧出津救助院は、ド・ロ神父が村人たちを救うため、私財を投じて設立した明治初期の授産・福祉施設で、のちに修道院となった。現在は、授産場、マカロニ工場、イワシ網工場(現、ド・ロ神父記念館)の3棟の建物が残り、国の重要文化財に指定されている。隠れキリシタンの資料などを展示する外海歴史民俗資料館などがある。また、外海は遠藤周作(えんどうしゅうさく)の小説『沈黙』の舞台となった土地としても知られ、2000年に遠藤周作文学館が開館した。大野教会、黒崎教会は文化財としても貴重な建物。海岸には標高180メートルに及ぶ海食崖(がい)の大城(おおじょう)・小城(こじょう)や仁崎(にざき)の景勝地があり、東部の山地には第二次世界大戦後の開拓地があり、ミカン園化が進められている。西方海上の海底炭田の島、池島の炭鉱は2001年に閉山。現在、池島炭鉱跡は体験型の観光地となっている。

[石井泰義]

〔世界遺産の登録〕出津集落と大野集落は、2018年(平成30)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として、世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部 2018年9月19日]

『『外海町誌』(1974・外海町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外海」の意味・わかりやすい解説

外海
そとめ

長崎県南部,長崎市北西部の旧町域。西彼杵半島西岸にある。1955年神浦村と黒崎村が合体して外海村となり,1960年町制。2005年長崎市に編入。畑作および一本釣り刺網漁業が主。北西方の池島には 1951年に開発された海底炭田(→池島炭鉱)があったが,2001年11月に操業停止。禁教(→キリスト教禁制)時代に潜伏キリシタンによる信仰が守られ,明治の解禁後にフランス人宣教師マルク・マリ・ド・ロにより教会堂が建設された出津集落(しつしゅうらく)および北方の大野集落は,2018年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された。沿岸部一帯は西彼杵半島県立自然公園に属する。

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百科事典マイペディア 「外海」の意味・わかりやすい解説

外海[町]【そとめ】

長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡,西彼杵半島南西部の旧町。炭鉱のある池島も含む。主集落は漁港の神浦(こうのうら)。鉱業のほか,農業,漁業も営む。黒崎地区には隠れキリシタンゆかりの集落がある。2005年1月西彼杵郡香焼町,伊王島町,高島町,野母崎町,三和町と長崎市へ編入。46.73km2。5296人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「外海」の意味・わかりやすい解説

外海 (そとめ)

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普及版 字通 「外海」の読み・字形・画数・意味

【外海】がいかい

海外。

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