イブン・ハイヤーン(その他表記)Ibn Hayyān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブン・ハイヤーン」の意味・わかりやすい解説

イブン・ハイヤーン
Ibn Hayyān

[生]987/988. コルドバ
[没]1076.10.
スペインの後ウマイヤ朝時代の歴史家。経歴は不詳。彼以前の歴史家のアンダルシアに関する記述を集大成して,『ムクタビス』 Muqtabisを著わしたが,これはアンダルシア史に関する最も重要な資料である。また彼自身の歴史叙述である『マティーン』 al-Matīnは,原本大部分は失われたが,後人の引用によってその大要が知られ,後ウマイヤ朝時代の政治に関する詳しい情報を提供している。

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世界大百科事典(旧版)内のイブン・ハイヤーンの言及

【アンダルス】より

…文献学としてはカーリーal‐Qālī(901‐967)の《アマーリー》が著名である。歴史書としてはイブン・アルクーティーヤの《アンダルス征服史》,イブン・ハイヤーンIbn Ḥayyān(987∥988‐1076)の《アンダルス名士列伝》,イブン・アルハティーブの《グラナダ史》などが挙げられる。イブン・ハルドゥーンの《歴史序説》《イバルの書》は,アンダルスのみならず,イスラム世界の文化水準を示す好個の作品である。…

※「イブン・ハイヤーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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