イブンフルダードベ(読み)いぶんふるだーどべ(英語表記)Ibn Khurdādhbeh

精選版 日本国語大辞典 「イブンフルダードベ」の意味・読み・例文・類語

イブン‐フルダードベ

  1. ( Ibn Khurdādhbeh ) イラン地理学者。著「道里記・郡国誌」は、中国朝鮮日本に至るまで記載され、九世紀のアラビア地理書中最も重要。(八二〇頃‐九一二頃

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イブンフルダードベ」の意味・わかりやすい解説

イブン・フルダードベ
いぶんふるだーどべ
Ibn Khurdādhbeh
(?―882ころ)

イスラムの地理学者。一説には820年ごろ生まれ、913年ごろ没したとされる。バグダード文学、音楽などを学び、地方の駅伝および情報局長を務めた。著書に、844年ごろ書いた『諸道および諸国志』がある。これは現存するアラビア語地理書中最古のものであり、バグダードより各地に通じる街道駅名や、それら相互間の距離、各地方の租税収入などをおもに記したが、インドや中国への通商をも伝え、当時の東西交通の事情を知るうえで貴重な資料として高く評価されている。ことに、スィーン(中国)の東にアル・ワークワークという黄金国がある、と記したのは日本(倭(わ)国)に、同じくスィーンの果てにシーラーがあるとしたのは新羅(しらぎ)に比定されたりしている。

前嶋信次

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