インターロイキン-6阻害剤(読み)インターロイキン-6ソガイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

インターロイキン-6阻害剤

製品名
《トシリズマブ製剤》
アクテムラ(中外製薬)
《サリルマブ製剤》
ケブザラ(サノフィ、旭化成ファーマ)

 自己注射剤です。インターロイキン-6(IL-6)は、関節リウマチの特徴である病的炎症や関節破壊に関係する炎症性サイトカインのひとつです。IL-6は、IL-6受容体と結合することで炎症作用を現します。インターロイキン-6阻害剤は、IL-6受容体と特異的に結合することでIL-6の伝達を阻害し、関節の腫れや痛みを改善して関節リウマチやそのほかの全身症状などに効果を発揮します。


 トシリズマブ製剤は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に用いられます。


 サリルマブ製剤は、既存治療で効果不十分な関節リウマチに用いられます。


 過敏症状(発疹ほっしん、かゆみなど)、ショック、アナフィラキシー、感染症、間質性肺炎、腸管穿孔、無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症、さらにトシリズマブ製剤では心不全、サリルマブ製剤では肝機能障害が現れることがあります。このような症状が現れたら使用を止め、すぐに受診してください。


 そのほかに上気道感染、高コレステロール血症、ヘルペスウイルス感染、口内炎、肝機能異常、注射部位反応などが現れることがあります。


腹部大腿部または上腕部へ皮下注射します。医師や看護師から指示された用法用量、投与間隔はかならず守ってください。また、同一箇所への繰り返し注射、皮膚の圧痛挫傷、発赤、硬化がある部位への注射はしないよう注意してください。


 自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合は、すぐに医師に連絡してください。


②この薬に対して過敏症の病歴がある人、重い感染症、活動性結核がある人は、これらの薬を使用できません。


③感染症がある人または感染症の疑いがある人、結核の病歴がある人、間質性肺炎の病歴がある人、腸管憩室のある人、白血球・好中球数・血小板の減少がある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人は使用できないことがあります。あらかじめ医師にその旨を報告してください。


④遮光して冷蔵庫(2~8℃)で保存します。投与前に常温で30分ほど放置してから使用してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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