うずみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「うずみ」の意味・わかりやすい解説

うずみ

広島県福山地方の郷土料理。ほかに大分、島根県でもつくられる。米の収穫の終わったあとの秋祭によくつくられる。「うずみ」とは汁に飯を埋(うず)める意で、埋め飯がなまったものである。汁の実には小エビを入れるが、かわりに白身魚を用いることもあり、両方を加えることもある。秋にはマツタケを加えることもある。豆腐ネギはかならず使い、ほかにもサトイモニンジンゴボウなどの野菜を加えたものもある。鍋(なべ)にしょうゆとその分量の3~4倍の水を加えて煮立て、その中にエビを入れ、煮上げて取り出す。次に鍋に水を入れて汁を薄め、普通の澄まし汁濃度にする。その中に適宜の大きさに切り、湯煮した材料と、1センチメートル角に切った豆腐、薄い輪切りのネギ、すでに用意してあるエビを入れて煮上げ、鍋の下の火は細くして冷めないようにしておく。椀(わん)の中に飯少々を入れ、その上から汁と実とをかけて用いるが、別に飯を盛り、椀に汁を入れて出し、普通の汁物として扱うこともある。

多田鉄之助

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「うずみ」の解説

うずみ

広島県福山市周辺の郷土料理。エビ、豆腐、野菜などの汁煮を白飯で覆い、だし汁をかけたもの。名称は、飯を埋(うず)めるから。

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