日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウミガモ」の意味・わかりやすい解説
ウミガモ
うみがも / 海鴨
sea duck
diving duck
鳥綱カモ目カモ科に属する潜水性のカモ類の総称。淡水性のホシハジロ、キンクロハジロなど、浅海性のスズガモ、江湾性のホオジロガモ、ケワタガモ、外海性のクロガモ、ビロウドキンクロ、外海でも岩岸にいるシノリガモ、外洋にすむコオリガモまで多種多様である。体は他の淡水ガモ類より太くて重く、足は体の後方につき短い。足指が長く、水かき面積が大きいので潜水に適し、後趾(こうし)も淡水ガモでは細いのに対し扁平(へんぺい)である。翼は小さく、潜水するときには原則として用いない。食物は水底や岩につく動植物であるが、浅海や沿岸性の種では小ガニやイガイなどの貝類を好み、スズガモはアサリを食べる。外洋性のコオリガモは、海中の甲殻類や小魚などを食べる完全な動物食である。
[黒田長久]