ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シノリガモ」の意味・わかりやすい解説
シノリガモ
Histrionicus histrionicus; harlequin duck
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鳥綱カモ目カモ科の鳥。シベリア東部からカムチャツカ半島、アラスカからカナダ沿岸、西大西洋のアイスランド、グリーンランド、北アメリカ北東部に繁殖し、冬季は温帯北部沿岸に越冬する。繁殖地では川をさかのぼった急流を好み、草陰、ときには樹洞に営巣し、昆虫類の幼虫を好んで食べる。冬は岩の波間を小群で漂い、甲殻類、貝類、棘皮(きょくひ)動物などを食べる。水面に低く浮き、潜水は巧みであるが深くは潜らない。全長約43センチメートル。雄は紫青色にいくつかの黒縁の白点、帯斑(はん)が混ざって美しく、わきは赤褐色。雌は全体に褐色である。日本の東北地方ではときに夏季も残留し、川をさかのぼるものがある。宮城県栗駒山(くりこまやま)山中では繁殖が確認され、青森県赤石川や岩手県大槌川(おおつちがわ)の上流でも繁殖の可能性がある。
[黒田長久]
カモ目カモ科の鳥。北太平洋沿岸,アイスランドおよびグリーンランドで繁殖し,冬期にはより南の海上で越冬する。日本には冬鳥として渡来し,北日本の海岸や海上に小群で生息する。しかし,最近,北日本の山間の渓流で繁殖しているものがいることが知られた。岩礁の多い荒磯を好み,潜水して貝類などをとって食べる。全長約43cm。雌雄異色で,雄は青色,栗色,白色の美しい模様がある。雌は全身暗褐色で,くちばしの基部と眼の後に白斑がある。
執筆者:柳沢 紀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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