改訂新版 世界大百科事典 「ウルダネータ」の意味・わかりやすい解説
ウルダネータ
Andrés de Urdaneta
生没年:1498-1568
スペインの航海士。貴族の家庭に生まれ,初め軍隊に入った。マゼラン遠征隊成功ののちカルロス1世が1525年に東洋へ派遣したロアイサ遠征隊に参加して,モルッカ諸島に至り,この地に約10年間滞在。この間,ポルトガルと戦い,また,この地域の地理と航海の知識を蓄えて,36年に数少ない生残りの一人として帰国した。海の冒険生活に疲れた彼は,42年にメキシコに渡りアウグスティヌス会の聖職に就く。59年にフェリペ2世よりフィリピン征服のための遠征隊指揮官を懇請されたが固辞し,代わってレガスピを推した。しかし,国王のたっての要請で,64年にレガスピ遠征隊の主席航海士として遠征に参加,フィリピン到着を果たすと同時に,北太平洋海流にのってメキシコへ戻る帰路の発見に成功し,スペインのフィリピン支配の端緒を開いた。
執筆者:池端 雪浦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報