エクセキアス(その他表記)Exēkias

改訂新版 世界大百科事典 「エクセキアス」の意味・わかりやすい解説

エクセキアス
Exēkias

ギリシア陶工陶画家。前6世紀後半にアテナイ活躍。黒絵式最大の画家で,人物や衣装を細密画風に描写し,神話・伝統のモティーフを単に説明に終わらせず,陶画に心理描写を導入した。作品陶片を含めて約20点が知られる。とくに主要な作品として〈陣中将棋を指すアキレウスアイアス〉を描いた黒絵式のアンフォラバチカン美術館),〈酒神ディオニュソス航海〉のキュリクスミュンヘン国立古代美術陳列館),〈自殺するアイアス〉を描いたアンフォラ(ブーローニュ・シュル・メール美術考古博物館)などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エクセキアス」の意味・わかりやすい解説

エクセキアス
Exekias

古代ギリシアの陶工,陶画家。前550~前525年頃に活躍。13の作品にその名が刻まれている。厳格で繊細な表現からアッチカ黒像式陶器の完成者と目されている。現存する代表作は黒像式アンフォラ『将棋をさすアキレウスとアイアス』(バチカン美術館),黒像式キュリクス『ディオニュソスの船出』(前530頃,ミュンヘン,グリュプトテーク)。

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