ハマダーン(英語表記)Hamadān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマダーン」の意味・わかりやすい解説

ハマダーン
Hamadān

イラン中央西部,ハマダーン州の州都テヘラン南西約 280km,アルバンド山麓,標高 1877mに位置する。古代から開けたところで,アッシリア時代にはビットダイウッキ,メディア時代にはアグバタナあるいはハングマタナ (ギリシア語ではエクバタナ) と呼ばれ,メディア王国の首都であったが,その滅亡 (前 550) 後,アケメネス朝時代にも夏の都に選ばれて繁栄し,豪華な装飾を施した宮殿や寺院が建てられた。 642年頃アラビア人に征服され,12世紀後半にはセルジューク朝の首都となった。しかしモンゴル軍による破壊 (1220頃) や,チムールの攻略 (1386) を受けた。 17世紀アッバース1世によって改良美化されたが,18世紀にはイラクペルシア争奪の的となり人口が激減した。現在はイランの主要商業都市の一つで,皮革の交易中心地,絨毯の主要生産地。近年発掘された「ハマダーンの遺宝」は有名。イラン=イラク戦争で大きな被害を受けた。人口 34万 9653 (1991) 。

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