エコールプラティークデオートゼチュード(その他表記)École pratique des hautes-études

改訂新版 世界大百科事典 の解説

エコール・プラティーク・デ・オートゼチュード
École pratique des hautes-études

フランスの高等研究院。1868年に創設された高等教育機関で,実験講座を重視すると同時に,ドイツのゼミナール形式を採用して,一般の大学とは異なる新しいタイプの学術研究を目ざした。当初は,(1)数学,(2)物理化学,(3)博物学生理学,(4)歴史・文献学の4部門で発足したが,数次にわたる改組の結果,(5)宗教学,(6)社会・経済諸科学が加わり,6部門編成となった。指導教官directeur d'étudesを中心に,すでに研究者のレベルに達している少数の参加者による演習形式を基本とし,研究水準の高いことで知られている。第6部門は,69年創設された経済学部門が,第2次大戦後の1947年,新たな研究課題に対応すべく拡充されたものであるが,48年リュシアン・フェーブル部長に迎え,歴史学をはじめ,経済学,社会学,人類学などの交流の上に立った活発な研究活動を展開し,戦後フランスの人間諸科学の隆盛を支える中心的研究機関となった。56年フェーブルの没後は,フェルナン・ブローデルが部長となり,数多くの共同研究を組織するなど,〈第6セクション〉の名は広く知られるところとなったが,75年,他の部門から分離独立し,社会科学高等研究院École des hautes études en sciences socialesと改称され,現在に至っている。その研究活動は,アナール学派の歴史学と密接な関係がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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