エゾサンショウウオ(読み)えぞさんしょううお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エゾサンショウウオ」の意味・わかりやすい解説

エゾサンショウウオ
えぞさんしょううお / 蝦夷山椒魚
[学] Hynobius retardatus

両生綱有尾目サンショウウオ科の動物。北海道固有の種で、全島低地山地に広く分布する。全長11~18センチメートル。背面は黒褐色または黄褐色で、微小な黄斑(おうはん)が散在する個体もある。池や湿地、溝などの止水に産卵する。産卵期は雪解けの時期と関連して場所による差が大きく4月から7月にわたる。緩く巻いた1対の紐(ひも)状卵嚢(らんのう)を水中枯れ枝などに付着させ、100個内外の卵を産み付ける。北海道にはこのほかキタサンショウウオSalamandrella keyserlingiiが分布する。

倉本 満]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エゾサンショウウオ」の意味・わかりやすい解説

エゾサンショウウオ
Hynobius retardatus; Yezo salamander

サンショウウオ目サンショウウオ科。体長 18cmに達し,小型サンショウウオ類のなかでは比較的大型の種。体は青みを帯びた暗褐色で,尾は非常に長く,後方へ向って側扁している。池などの止水に春遅く産卵する。卵塊は細長く透明で,螺旋形に巻き,1対ずつ植物などに産みつけられる。北海道の特産種で,道内では水平的にも垂直的にも分布が広い。

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世界大百科事典(旧版)内のエゾサンショウウオの言及

【カスミサンショウウオ】より

…そのうちクロサンショウウオH.nigrescens(全長約15cm),ヒダサンショウウオH.kimurae(約15cm),トウホクサンショウウオH.lichenatus(約12cm)は山地性で,高地の池沼に産卵する。北海道にはエゾサンショウウオH.retardatusが分布し,全長14~19cmでやや大きい。ブチサンショウウオH.naevius(約13cm)は分布域がカスミサンショウウオと重なるが,山地に多く産卵も渓流で行う。…

※「エゾサンショウウオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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