エディントン光度(読み)エディントンコウド

デジタル大辞泉 「エディントン光度」の意味・読み・例文・類語

エディントン‐こうど〔‐クワウド〕【エディントン光度】

天体で、外向き放射圧と天体自身の重力による内向きの力がつりあう光度。これより明るく輝くと外向きの力が上回ってしまい、ガスなどの物質降着できず、等方的一定の明るさで光ることができなくなる。英国の天文学者エディントンが導出。エディントン限界光度エディントン限界

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法則の辞典 「エディントン光度」の解説

エディントン光度【Eddington luminosity】

宇宙天体は重力でまとまっているが,光や電磁波を放出し始めると,外向きの放射圧がだんだん増大し,ある明るさに達した段階で放射圧が重力に打ち勝ってしまう.このときの光度をいう.重力は質量に比例するから,もし太陽の十倍の質量をもつブラックホールがあれば,そのエディントン光度は1032 J・s-1 となる.エディントン限界*参照

ところが,大光量X線源(ULX)と呼ばれるものがあり,この光度は ~ 1033 J・s-1 もある.この原因はいまのところわからない.単純に考えれば質量が太陽の百倍以上もあるブラックホールの存在を示すことになるが,それほど大量の質量の集積を可能にするメカニズムは,いまのところだれも示唆にすら成功していない.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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