日本大百科全書(ニッポニカ) 「エバディ」の意味・わかりやすい解説
エバディ
えばでぃ
Shirin Ebadi
(1947― )
イランの法律家、人権活動家。テヘラン大学の法科を卒業、イランで最初の女性判事となった。1975年にテヘランで裁判所長に就任したが、1979年のイラン革命によって解任された。その後は弁護士となり、またテヘラン大学の教壇にも立っている。
イランやイスラム世界で基本的人権や民主主義を守るために積極的に活動し、政治や言論の自由を求めて逮捕された反体制派の活動家の弁護を務めた。イスラム法の解釈を通じて、イスラム法と基本的人権は両立することを提唱した。またイスラム法では女性や子供の権利は著しく低い地位にあり、その向上のため努力し、「イラン児童権利擁護協会」を設立している。長年にわたるイランでの人権擁護のための活動が評価され、2003年にノーベル平和賞を受賞した。イスラム世界の女性としてははじめての受賞であった。2006年、ノーベル平和賞を受賞したほかの女性5人(ジョディ・ウィリアムズ、ワンガリ・マータイ、リゴベルタ・メンチュ、ベティ・ウィリアムズ、コリガン・マグワイア)とともに平和運動NGOの「ノーベル女性の会Nobel Women's Initiative」を設立。
[編集部]