日本大百科全書(ニッポニカ) 「エパミノンダス」の意味・わかりやすい解説
エパミノンダス
えぱみのんだす
Epaminondas
(?―前362)
古代ギリシア、テーベの将軍、政治家。紀元前371年、スパルタが、アンタルキダスの条約を口実に、テーベを盟主とするボイオティア同盟の解体を要求したとき、これを拒否し、侵入したスパルタ軍をレウクトラで迎え撃ち、自ら考案した斜陣法戦法によって勝利を収めた。翌年には逆にペロポネソスに遠征し、アルカディアとメッセニアをスパルタから解放した。さらに前364年にはアテネに対抗して海上進出を図るなど、親友ペロピダスとともにテーベの覇権確立に努めた。しかし決定的な軍事力と財政力をもたないテーベの覇権は、彼の個人的手腕に負うものであったから、前362年マンティネイアの戦いで彼が戦死すると、その勢力は急速に衰えていった。
[篠崎三男]