エポキシド(読み)えぽきしど(英語表記)epoxide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エポキシド」の意味・わかりやすい解説

エポキシド
えぽきしど
epoxide

分子内にエポキシ基をもつ化合物総称。エポキシ化合物、オキシランともいう。エポキシ基は炭素2個と酸素1個からなる3員環の基である。エポキシドは通常二重結合に酸素を付加させてつくる。そのほかに、ハロヒドリンアルカリを作用させて環化させる方法によっても合成できる。この種の化合物の代表はエチレンオキシドである。エポキシドは反応性が大きく、合成中間体としての用途が広い。エポキシドの高い反応性を利用して、分子内に2個以上のエポキシ基をもつ化合物を重縮合させてつくるのがエポキシ樹脂であり、接着剤などに用いられている。

[廣田 穰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エポキシド」の意味・わかりやすい解説

エポキシド
epoxide

酸素原子が同一分子内で2個の炭素原子環状に結合しているエーテル。一般式は O[-CRH(CH2)nCR'H-] 。 n が0,1,2,3のものはそれぞれ,1,2-エポキシド,1,3-エポキシド,1,4-エポキシド,1,5-エポキシドと呼ばれる。また,R と R' が水素原子で,n が0,1,2,3のものはそれぞれ,エチレンオキシド,トリメチレンオキシド,テトラヒドロフランテトラヒドロピランと呼ばれる。

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