エリギウス(その他表記)Eligius

改訂新版 世界大百科事典 「エリギウス」の意味・わかりやすい解説

エリギウス
Eligius
生没年:588ころ-660ころ

フランスの聖人。フランス語ではエロアÉloi。同時代の伝記によれば,リモージュで金銀細工を学び,パリに出てフランク王国の造幣局長となり,国王ダゴベルトの相談役も務めた。数多くの教会や修道院を創建し,641年ノアイヨン司教となる。後世に,聖人は蹄鉄工でもあったと考えられるようになり,馬の足を切って蹄鉄をつけ,再びもとにもどす奇跡を行ったとか,女の姿に化けた悪魔の鼻を赤く焼いたやっとこではさんで,退治した逸話も伝えられている。美術では,司教服,市民の服をつけた金銀細工師,または仕事着で鉄床(かなとこ)を前にする蹄鉄工として表現される。金銀細工師,鍛冶屋,蹄鉄工,馬方などの守護聖人とされており,また馬の庇護者でもある。持物ハンマー,やっとこ,鉄床,ふいご,足を切りとられた馬など。祝日は12月1日。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリギウス」の意味・わかりやすい解説

エリギウス
Eligius; Éloi

[生]588?
[没]659
フランク王国のノアイヨンの司教,金工家。クロタール2世王冠作者として知られる。鍛冶,金工師の保護聖人

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