エリマキトカゲ(読み)えりまきとかげ(英語表記)frilled lizard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリマキトカゲ」の意味・わかりやすい解説

エリマキトカゲ
えりまきとかげ
frilled lizard
[学] Chlamydosaurus kingii

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目アガマ科のトカゲ。オーストラリア北部、ニューギニア島南東部に分布し、低地の森林地帯に生息する。全長75~90センチメートル、尾はその3分の2ほどを占める。頸部(けいぶ)には、舌骨が長く伸びてできた軟骨支柱に支えられた、大きな襟巻状のひだ飾りがある。普段は肩に垂れているが、興奮するとパラソルのように広げ、直径20~30センチメートルにも達する。襟飾りは体を大きくみせる効果があり、敵に対する威嚇求愛行動のときに広げるが、広い皮膚面積が体温調節ラジエーター(放熱器)の役割を果たすものとも考えられている。樹上性であるが、降雨のあとなど地上に降りて、大量のアリを含む昆虫類を求める。驚くと後肢だけでかなり長距離を走り、安全な樹上に逃げる。

[松井孝爾]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリマキトカゲ」の意味・わかりやすい解説

エリマキトカゲ
Chlamydosaurus kingii; frilled lizard

トカゲ目アガマ科。体長 70cm内外。頸のまわりに大きな襟飾りをもち,興奮するとこれを傘のように広げて相手を威嚇する。この襟飾りは開いたときの直径が 20cmぐらいになり,雄が雌を誘惑するのにも使われる (→ディスプレイ ) 。樹上性であるが,地上でも昆虫類などの餌を探し,敵から逃げるときには後肢と尾とで立上がって疾走する。オーストラリア北部やニューギニア南部の乾燥地に生息する。

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