エルビスカイノのクジラ保護区(読み)エルビスカイノのクジラほごく(その他表記)Whale Sanctuary of El Vizcaino

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

エルビスカイノのクジラ保護区
エルビスカイノのクジラほごく
Whale Sanctuary of El Vizcaino

メキシコ西部,バハカリフォルニア半島中央部の太平洋岸からビスカイノ砂漠高原地帯を経てカリフォルニア湾にいたる自然保護区。面積 5548km2。太平洋側のセバスティアン・ビスカイノ湾は,1947年保護種に指定されたコククジラの繁殖地として有名であるほか,シロナガスクジラの越冬地ともなっている。さらに絶滅危機に瀕するタイマイアオウミガメも生息しており,海岸地帯のマングローブコクガンの越冬地ともなっている。内陸部の砂漠や高原も,厳しい自然環境が長年にわたり人間の侵入を拒んできたため生態系がよく保護されている。1993年世界遺産自然遺産に登録。

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世界遺産詳解 の解説

エルビスカイノのクジラほごく【エル-ビスカイノのクジラ保護区】

1993年に登録された世界遺産(自然遺産)で、太平洋とカリフォルニア湾に挟まれた、メキシコのバハ・カリフォルニア半島の中央部に位置する。セバスティアン・ビスカイノ湾一帯は、コククジラが交尾出産を行う世界有数の繁殖地である。コククジラは冬になると、北太平洋ベーリング海から南下し、毎年12月から翌年3月まで過ごす。乱獲によりコククジラは一時激減したが、1947年に国際的な保護下に置かれたため、この地でも毎年約2000頭が過ごすまでに改善された。また、ここには、キタゾウアザラシ、アオウミガメ、タイマイなど、絶滅危惧種も生息する。こうした貴重な自然環境が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はWhale Sanctuary of El Vizcaino

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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