日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルメレンス」の意味・わかりやすい解説
エルメレンス
えるめれんす
Christian Jacob Ermerins
(1841―1880)
明治期のお雇い外国人教師。オランダのフローニンゲン大学で医学を修めたのち、ベルリン大学などに学び、1870年(明治3)ボードインの後任として官立大阪医学校へ招かれた(29歳)。着任まもなく医学校が閉鎖となり、大阪鎮台病院へ移った。1873年、大阪府民の醵金(きょきん)でつくられた府立大阪病院(教授局)教師となり、1877年マンスフェルトにかわるまでおよそ7年間、熱心に医学生を教導した。外科に長じ、講義録も多く上梓(じょうし)されている。帰国後、1880年、39歳の若さで死去したが、大阪医界有志は中之島公園に「FOR THE MEMORY OF DR. C. J. ERMERINS 設乙越爾蔑嗹斯先生記念碑」を建て、その徳をたたえた。
[神谷昭典]