日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルモーロワ」の意味・わかりやすい解説
エルモーロワ
えるもーろわ
Мария Николаевна Ермолова/Mariya Nikolaevna Ermolova
(1853―1928)
ロシアの女優。モスクワのマールイ劇場のプロンプターの娘で、1870年同劇場でデビューし、以来半世紀にわたって活躍する。当り役にオフェリア、マクベス夫人、ジャンヌ・ダルク、『雷雨』のカテリーナなどがあり、その天才的演技はスタニスラフスキーによって「ロシア演劇に時代を画し、女性的で美的なものの象徴である」と絶賛された。1920年、女優としてロシア最初の共和国人民芸術家の称号を受けた。モスクワにエルモーロワ劇場(1937創設)とエルモーロワ博物館(1970開設)がある。
[中本信幸]