出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…またホメロス作として現在知られている《オデュッセイア》の作者は女性であったという説を発表(1897)して,世間を驚かせた。しかし,彼の本領は文学,とくに小説の創作であって,72年に《エレホンErewhon》を発表した。表題はnowhere(どこにもない)のつづりをほぼ逆にしたもので,ユートピア(ギリシア語に由来する語〈どこにもない場所〉の意)を舞台にした風刺小説である。…
…すでに18世紀にJ.スウィフトが《ガリバー旅行記》(1726)において,極大と極小の架空社会を描いたときに,理想国家の冷厳な現実が間接的にとりあげられていた。S.バトラー《エレホン》(1872)もまた,一見理想的にみえる社会のうちに逆説的な暗黒面を見いだし,結果として未来の予測可能性を疑わしめることになった。 19世紀から20世紀にかけて,新たな都市計画運動が起こり,ユートピアの理想が社会計画のうちに投影されるようになった。…
※「エレホン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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