日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオデマリ」の意味・わかりやすい解説
オオデマリ
おおでまり / 大手鞠
[学] Viburnum plicatum Thunb. f. plicatum
スイカズラ科(APG分類:ガマズミ科)の落葉低木。高さ2~3メートルになり、若枝や葉に星状毛がある。葉は対生し、広卵形ないし広楕円(こうだえん)形、長さ5~7センチメートルで先が短くとがり、縁(へり)に鋸歯(きょし)がある。葉質はやや厚く、表面は側脈がへこみ、しわが寄ったようにみえる。4~5月、枝先にアジサイに似た球形の集散花序をつけ、帯緑白色から白色になって開く。ヤブデマリの花序が全部装飾花(中性花)になった園芸品種であって、花弁が大きくなった花冠は不ぞろいに5裂し、裂片は丸い。雄しべと雌しべは退化しており、果実はできない。庭園の花木として美しく、適潤な肥沃(ひよく)地を好み、成長は速い。耐寒性があり、北海道から九州まで植栽できる。繁殖は挿木による。花は大きな球状に集まって開くのでオオデマリといい、『立華正道集』(1684)に名が出ている。またテマリバナともよばれる。
[小林義雄 2021年12月14日]