オカチョウジガイ(読み)おかちょうじがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オカチョウジガイ」の意味・わかりやすい解説

オカチョウジガイ
おかちょうじがい / 陸丁字貝
[学] Allopeas kyotoensis

軟体動物門腹足綱オカチョウジガイ科の巻き貝。日本全国のみならず台湾や中国にも分布し、陸産田畑や庭にすみ植木鉢の下とか、リュウゼツラン根元などにごく普通にみられる。おそらく植物に付着してと思われるが、北アメリカにも移入している。殻高8ミリメートル、殻径3ミリメートルで、殻は細長く半透明なため、軟体の殻頂部にある肝臓黄色が透けてみえるが、死殻は白色である。花の苗などを食害する。近似種ホソオカチョウジガイA. pyrgataはさらに細長い種であるが、こちらも日本の各地に普通にみられる。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オカチョウジガイ」の意味・わかりやすい解説

オカチョウジガイ
Allopeas kyotoense

軟体動物門腹足綱オカクチキレガイ科。殻高 0.8cm,殻径 0.3cm。殻は薄質,白色半透明で細長く,殻頂へ細くなる。螺層はほぼ6階で多少ふくらむ。殻表は平滑光沢があり,弱い成長脈がある。殻口は卵形。軟体の肝臓は黄色で殻を通して見える。日本全国に広く分布し,よく似て,貝類のやや細長いホソオカチョウジガイ A.pyrgulaとともに庭園草地の落ち葉の下や礫間にすみ,ときに花壇の苗を食害する。アメリカ東部などにも移入されすみついている。

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