オックスフォードシャー県(読み)オックスフォードシャー(その他表記)Oxfordshire

翻訳|Oxfordshire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

オックスフォードシャー〔県〕
オックスフォードシャー
Oxfordshire

イギリスイングランド中南部の県。略称オクソン Oxon。県都オックスフォード。1974年の自治体再編により,それまでのバークシャー県の北西部が編入された。テムズ川上流域を占め,コッツウォールド丘陵から東流してきたテムズ川が県中央部のオックスフォード付近で大きく南に流れを変えて県を貫流する。地形は粘土層に覆われた低地を中心に,北部の石灰岩丘陵,南部の白亜丘陵からなり,低地は珊瑚石灰岩でできた低いオックスフォード丘陵により北のオックスフォード谷と南のホワイトホース谷に分けられる。早くから人が住んだ地域で,旧石器時代以降の石器集落跡が県内各地で発見されている。ローマ時代にも人口稠密な地域で,主要街道に沿ってドーチェスターなどの町が発展。アングロ・サクソン時代にはマーシア王国ウェセックス王国に属し,テムズ川とその支流沿岸に集落が発達。同時代末期からノルマン朝時代にかけては政治の中心地であったが,13~14世紀にはオックスフォード大学の発展に伴って学術・文化中心地としての性格が強くなった。主産業は農業で,中世以来この地方の経済を支えてきた牧羊のほか,酪農,耕種農業が盛んで,北部のバンベリーは大規模な家畜市場があることで知られる。鉱業も行なわれ,バンベリー周辺で鉄鉱石が採掘され,各地で粘土,砂などが採取される。工業部門ではアビンドンとオックスフォード市内のカウリーに自動車工場,バンベリーに軽工業が立地するほか,毛布製造,製紙,食品加工などが盛ん。面積 2606km2。人口 62万6900(2005推計)。

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