日本大百科全書(ニッポニカ) 「オニアサリ」の意味・わかりやすい解説
オニアサリ
おにあさり / 鬼浅蜊
ribbed little neck
[学] Notochione jedoensis
軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ科の二枚貝。北海道南部から本州を経てフィリピンにまで分布し、岩礁の間にたまっている砂礫(されき)底に潜入生活をしている。殻長50ミリメートル、殻高40ミリメートルに達し、殻は円形で厚く、殻表には太い放射肋(ろく)が30~35本あり、成長脈によってくぎられる。殻の地色は灰褐色で、その上に褐色の不規則な色斑(しきはん)がある。内面は白く、鉸板(こうばん)に3個の主歯と前側歯がある。腹縁は細かく刻まれている。漁獲対象になるほど多産しないが、採取できる土地では食用にされる。
[奥谷喬司]