オマー(その他表記)Omagh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オマー」の意味・わかりやすい解説

オマー
Omagh

イギリス北アイルランド西部の地区(district council area)。行政府所在地オマー。旧ティローン県に属する。1973年の自治体再編で地区として設置された。起伏のある低地と丘陵地帯が広がり,北はストラベーン,東はマーラフェルトクックズタウン,南はダンガノン・サウスティローン,西はファーマナの各地区に接する。北部と東部にはあまり耕作に適さない荒野標高 542mのマラカーン山がある。中部および南部は肥沃な河谷が広がる。5世紀から 16世紀末までオニール家がこの地を支配していたが,1607年に第2代ティローン伯ヒュー・オニールが逃亡したあと,イギリスの統治下に置かれた。土地の大部分乳牛ヒツジの放牧地となっており,一部ではオオムギも栽培される。川ではサケ釣りやマス釣りが人気で,高地ではライチョウ猟が行なわれる。以前は淡水性のカラスガイから真珠が採取されていた。面積 1125km2。人口 5万82(2004推計)。

オマー
Omagh

イギリス北アイルランド西部,オマー地区の行政府所在地。アイルランド語では An Ómaigh。ストルール川沿いに位置し,交易や商業,軽工業の中心地である。テーブルリネンクローシェレースなどの伝統工芸品が生産されている。観光業が重要な産業で,さまざまな祭りや行事には多くの観光客が集まる。毎年開催されるウェスト・ティローン・フェイスは,伝統的なアイルランド音楽と芸術の祭り。北部にあるアルスター・アメリカン民俗公園には,18~19世紀にアルスター地方からアメリカ合衆国へ渡ったカトリックプロテスタントの移民たちが使っていた道具や建物,乗り物などが屋外展示されている。1998年8月15日,死者 29人,負傷者 200人以上を出した商業地区での自動車爆弾テロ事件で世界中の注目を浴びた。アイルランド共和軍 IRA分派である「リアル(真の)IRA」が犯行声明を出し,1960年代末に北アイルランド紛争が過激化して以来最悪のテロ事件となった。人口 2万1708(2006推計)。

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