日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オープンプラットフォーム
おーぷんぷらっとふぉーむ
open platform
コンピュータシステムの基盤を構成する端末機器(プラットフォーム)のうち、ハードウェアやソフトウェア、サービスを提供するのに必要な仕様・技術などを公開(オープン)したもの。ソースコードを自由に利用することが可能であり、豊富な対応機器やアプリケーションソフトウェアを他社からも提供できることにより、ユーザーは特定のメーカーやソフトハウス(ソフトウェアの開発や販売を行う会社)にこだわらず、製品を組み合わせてシステムを構築できる利点がある。各メーカーは、初期にはプラットフォームはオープンにせず、自社製品の独自性を主張してユーザーを囲い込んでいたが、逆に公開することにより、他社による周辺機器やソフトウェアの開発・提供も得られ、自社製品の普及が促進されるという利点が考えられるようになり、オープンにされることとなった。
代表的なものに、アメリカのグーグル社が2007年に開発し、翌年オペレーティングシステム(OS)をオープンにしたAndroid(アンドロイド)がある。Androidはスマートフォン向けのプラットフォームで、Android OSとアプリケーションをセットにしたソフトウェアの集合体である。Androidを採用した電話端末を「Androidスマートフォン」ともよんでいる。また、ソーシャルゲーム「Mobage(モバゲー)」(運営は株式会社ディー・エヌ・エーDeNA)も、2010年(平成22)末から全面的にオープンプラットフォーム化されている。
今日構築されているコンピュータシステムにおける分散システムでは、オープンプラットフォーム方式を大部分で採用するケースが多い。このため、仕様を公開する関係上、世界的に情報通信機器を標準化する動きも活発である。
[岩田倫典 2016年2月17日]