アンドロイド(読み)あんどろいど(英語表記)android

翻訳|android

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンドロイド」の意味・わかりやすい解説

アンドロイド
あんどろいど
android

ヒューマノイドロボット人間型ロボット)の一種ギリシア語のandròs(人間、男性)からの合成語である。ロボットには用途に応じてさまざまな姿をしたものがあるが、そのなかで姿かたちが人間に似ているものをいう。現在では非生物起源で機械仕掛けの人間型ロボットをアンドロイドとよぶ場合が多いが、本来は、化学的、生物学的に合成され、血と肉をもち、人間の姿かたちをした人造人間をさした。アンドロイドが登場する代表的な小説としては、シェリー夫人の『フランケンシュタイン』(1818)、チャペックの『R・U・R(えるうーえる)(ロッサムの万能ロボット会社)』(1921)、のちに『ブレードランナー』(1982)というタイトルで映画化されたディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(1968)などがある。漫画の世界では手塚治虫(おさむ)の『鉄腕アトム』(1951)、平井和正原作、桑田二郎作画による『8マン』(1963)が代表的な作品である。映画では『ターミネーター』(1984)が有名である。アンドロイドはサイボーグと混同される場合があるが、姿こそ人間そっくりであるにせよアンドロイドはあくまでもロボットであり、人間の組織部分が存在しない。したがって、同じように警官としての意識をもっていても、人間の頭脳をそのまま搭載している、映画『ロボコップ』(1987)の主人公ロボコップはサイボーグであり、電子頭脳に人間の記憶をそっくり移植した8マンはアンドロイドである。

[新藤克己]

『黒崎政男著『哲学者はアンドロイドの夢を見たか』(1987・哲学書房)』『エイミー・トムソン著『ヴァーチャル・ガール』(1993・早川書房)』『黒崎政男著『となりのアンドロイド』(1998・NHK出版)』『早稲田大学ヒューマノイドプロジェクト編『人間型ロボットのはなし』(1999・日刊工業新聞社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンドロイド」の意味・わかりやすい解説

アンドロイド
Android

携帯電話スマートフォン向けのオペレーティングシステム OS。アメリカ合衆国のインターネット検索サービス会社グーグルが,リナックスをもとに開発した。グーグルは 2007年11月5日,サードパーティ製のアプリケーションをサポートする無料のオープンソースOSとしてのアンドロイドの開発と普及を目的として,インテルモトローラ,NVIDIA,テキサス・インスツルメンツ,LG電子,サムスン電子,スプリント・ネクステル(2013ソフトバンク〈→ソフトバンクグループ〉が買収),Tモバイル(ドイツテレコム)などの携帯電話会社と技術系企業による業界団体,オープン・ハンドセット・アライアンス Open Handset Allianceの設立を発表した。2008年10月22日には世界で初めてアンドロイドを搭載した携帯電話 T-Mobile G1がアメリカで発売された。アンドロイド搭載端末機器でグーグルでのインターネット検索,文書作成や表計算のアプリケーション,グーグルアース(衛星写真による地図ソフトウェア)といった機能を活用するには,第3世代(3G)以降の無線ネットワークが必須となる。

アンドロイド

オートマトン」のページをご覧ください。

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