坪田譲治(つぼたじょうじ)の小説。1935年(昭和10)『改造』に発表、この作品で坪田は文壇的な地位を固めた。これ以前に彼は善太と三平ものといわれる一連の童話のなかで独自の子供像を描き、童心の叙情だけでないリアリズムの基礎を築いている。この小説にも善太と三平の兄弟が主人公として登場するが、ここではさらに子供の背後に子供を包む社会の影が描かれ、子供の世界と大人の世界の交わるところで文学を成立させている。無邪気に父と遊ぶ子供に対比する、生活に疲れて死さえ考える父の姿は、郷里にあって家業と文学のはざまにあったころの坪田譲治を思わせる。次の小説『風の中の子供』『子供の四季』と続いて三部作をなしている。
[征矢 清]
『坪田譲治著『風の中の子供』(新潮文庫)』
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
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