童心(読み)ドウシン

デジタル大辞泉 「童心」の意味・読み・例文・類語


わらわ‐ごころ〔わらは‐〕【童心】

子供の気持ち。子供心。
「なほ―の失せぬにやあらむ」〈・若菜上〉

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精選版 日本国語大辞典 「童心」の意味・読み・例文・類語

どう‐しん【童心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 子どもの心。子どもごころ。おさなごころ。
    1. [初出の実例]「こういう文句をただそれが非現実的だというだけで『童心』と考える大人の顔は」(出典:小学校の教科書(1949)〈中村光夫〉)
    2. 「そのころの軍国調のたかまりは、彼の童心にも何らかの刺激を与えずにはおかなかった」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉二)
  3. 子どものような純真な心。無邪気な心。
    1. [初出の実例]「身体は老人だが〈略〉一種の童心を失って居らない人だった」(出典:若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上)
    2. [その他の文献]〔史記‐魯世家〕

わらべ‐ごころ【童心】

  1. 〘 名詞 〙わらわごころ(童心)
    1. [初出の実例]「童子(ワラベ)心にも親の敵(かたき)を心かけける」(出典浮世草子武道伝来記(1687)八)

わらわ‐ごころわらは‥【童心】

  1. 〘 名詞 〙 子どもの心。子どもの気持。子どもごころ。おさなごころ。わらわごこち。わらべごころ。
    1. [初出の実例]「猶わらは心のうせぬにやあらむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)

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普及版 字通 「童心」の読み・字形・画数・意味

【童心】どうしん

幼な心。唐・劉禹錫〔周魯儒の挙に赴くを送る〕詩 心、(すなは)ち書を愛するの癖り 手指、今にも餘す、筆を把るの痕(あと)

字通「童」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の童心の言及

【童心説】より

…孟子が赤子の心に人間の本来的姿の顕現をみたごとく,幼児に理想態をみる考えは古来あった。李贄は救いがたいほどに世俗的な汚濁,後天的な習気にまみれている現存在する人間に対する反措定として,後天的世俗的なものにいっさい汚染されていない童心こそが人間の本来性を象徴するものとし,万人が本来完全に具有するこの童心を覚醒して悪の世界から自己救済することを強調した。【吉田 公平】。…

※「童心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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