同胞葛藤(かっとう)ともいう。『旧約聖書』の「創世記」によれば、アダムとエバ(イブ)の長子として生まれたカインは、弟のアベルに嫉妬(しっと)し、アベルを殺害する。このことから精神分析では、兄弟間の競争心、敵意、攻撃のことをカイン・コンプレックスという。一般には、親の愛情や承認を独占しようとすることをいう。兄弟コンプレックスともよばれるが、エディプス・コンプレックスの一側面を強調するものである。フロイトは、文豪ゲーテの幼児期の記憶をもとに、一見いたずらとみられるような子供の行為に同胞に対する無意識的な嫉妬、憎しみ、排除の願望が隠されていることを明らかにしている。下に弟・妹が生まれたときに上の子が赤ちゃんに戻ったかのような行動をとる「赤ちゃん返り」も同胞葛藤の一つの現れである。
[外林大作・川幡政道]
『フロイト著、高橋義孝訳「『詩と真実』中の幼年時代の一記億」(『フロイト著作集3』所収・1969・人文書院)』
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...