幼年時代(読み)ヨウネンジダイ

デジタル大辞泉 「幼年時代」の意味・読み・例文・類語

ようねんじだい〔エウネンジダイ〕【幼年時代】

原題、〈ドイツEine Kindheitカロッサの自伝的小説。1922年刊。一開業医の子が日常生活の中で出会う、のちの人生を決定づける諸体験を象徴的につづる。
《原題、〈ロシアDetstvoレフ=トルストイ処女作。1852年発表。「少年時代」「青年時代」へと続く、自伝的三部作の第1作。
《原題、〈ロシア〉Detstvoゴーリキー自伝小説。1913年から1914年にかけて刊行。「人々の中」「私の大学」とともに三部作をなす。
室生犀星の自伝的短編小説。大正8年(1919)8月「中央公論」誌に発表。「性に眼覚める頃」「或る少女の死まで」とあわせ3部作をなす。NHKでドラマ化されている。

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精選版 日本国語大辞典 「幼年時代」の意味・読み・例文・類語

ようねん‐じだいエウネン‥【幼年時代】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 幼年の頃。幼年である時期。
    1. [初出の実例]「時代教育とは幼年時代(六歳以上十歳まで)は遊ばしめ、少年時代(十歳より十六歳まで)は学ばしめ、青年時代(十六歳より二十歳まで)は働かしむるの方針にして」(出典:新刊岡山孤児院(1898)〈石井十次〉五)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] ( 原題[ロシア語] Djetstvo ) 自伝小説。トルストイ作。一八五二年発表。トルストイの処女作で、すぐれた心理描写と克明な記憶によってみずからの幼年時代を描く。「少年時代」「青年時代」とともに三部作をなす。
    2. [ 二 ] ( 原題[ロシア語] Djetstvo ) 長編小説。ゴーリキー作。一九一四年成立。ゴーリキーの、父の死にはじまり母の死に終わる五歳から一〇歳までの悲運の日々を、少年の澄んだ目で描く。「人々のなか」「私の大学」とともに三部作をなす。
    3. [ 三 ] ( 原題[ドイツ語] Eine Kindheit ) 中編小説。カロッサ作。一九二二年刊。一六章からなる自伝風な作品で、幼年期を自己存在の序章とみなし、中学校入学までの子どもの意識を成人の英知を通して回想する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幼年時代」の意味・わかりやすい解説

幼年時代
ようねんじだい
Eine Kindheit

ドイツの作家 H.カロッサの自伝小説。 1922年刊。バイエルン医師息子に生れた作者の 10歳までの経験を抒情的に綴ったもの。カロッサの一連の自伝的作品の第1作。

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デジタル大辞泉プラス 「幼年時代」の解説

幼年時代

NHKのテレビドラマ「少年ドラマシリーズ」の作品のひとつ放映は1976年1月。原作:室生犀星の同名小説。脚本石堂淑朗。出演:宮廻夏穂、二木てるみほか。詩人・室生犀星の生い立ちと成長を描く。

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世界大百科事典(旧版)内の幼年時代の言及

【トルストイ】より

… 真実の探求者,伝道者として,世界はトルストイの主張に耳を傾けたが,家庭内で自らの主義を実践しようとして妻と衝突し,自分の教説どおりに晩年を過ごそうと家出をしたが,その行半ばにして,中央ロシアの寒村の駅アスターポボ(現在はトルストイと改称)で肺炎のため亡くなった。 トルストイの処女作は進歩派の《現代人》誌に1852年に発表された《幼年時代》である。自伝三部作の第1部をなすこの作品は,そのみずみずしい感受性と心理的リアリズムで世人の注目をひいたが,続いていくつかの短編,中編を発表して文壇での地位を不動のものとした。…

※「幼年時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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