日本大百科全書(ニッポニカ) 「カスマグサ」の意味・わかりやすい解説
カスマグサ
かすまぐさ
[学] Vicia tetrasperma (L.) Schreb.
マメ科(APG分類:マメ科)の越年草。茎は細く、長さ60センチメートルに及ぶ。葉は偶数羽状複葉で8~12枚の小葉からなり、先端は1~4分する巻きひげとなって他物に絡みつく。4~5月、葉腋(ようえき)の総状花序に小さな淡青紫色の蝶形花(ちょうけいか)を1~3個つける。豆果は3~6個の種子を含み、狭楕円(きょうだえん)形、長さ1~1.5センチメートルで無毛である。本州から沖縄の道端や野原に生え、ユーラシア大陸の暖温帯に広く分布する。名は、カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)とスズメノエンドウの中間的な形であることから、カス間草の意味でよばれる。
[立石庸一 2019年10月18日]