日本大百科全書(ニッポニカ) 「スズメノエンドウ」の意味・わかりやすい解説
スズメノエンドウ
すずめのえんどう / 雀野豌豆
hairy vetch
[学] Vicia hirsuta (L.) S.F.Gray
マメ科(APG分類:マメ科)の越年草。茎は長さ30~60センチメートル。葉は12~14枚の小葉からなる偶数羽状複葉、葉軸の先端は分枝する巻きひげとなる。小葉は狭卵形で長さ1~1.8センチメートル。4~6月、葉腋(ようえき)から出た長さ2~5センチメートルの総状花序に、多くは3~5花をつける。花は蝶(ちょう)形、淡紫色で小さく、長さ3~4ミリメートル。豆果は長楕円(ちょうだえん)形で、長さ0.6~1センチメートル、短毛があり、種子は2個ある。本州から沖縄の道端や野原に生え、ユーラシアと北アフリカの暖温帯に分布する。名は、同じくマメ科のカラスノエンドウ(正しくはヤハズエンドウ)に似ているが、小さいので烏(からす)に対し雀(すずめ)をつけて小形を表現したものである。
[立石庸一 2019年10月18日]