カドリーユ(読み)かどりーゆ(英語表記)quadrille フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カドリーユ」の意味・わかりやすい解説

カドリーユ
かどりーゆ
quadrille フランス語

19世紀初頭、ナポレオン1世の宮廷から広まった舞踊。4組の男女が方形で踊るコントルダンス下火になったとき、いつも数種だけが同じ順序で踊られるようになり、これらをまとめてquadrille de contredanses、略してカドリーユとよんだのに始まる。一般にはle pantalon, l'été, la poule, la pastourelle, la finaleの5種の型からなり(第4番目にle trénisが挿入されることもある)、音楽には当時の流行歌やオペラ旋律が用いられた。2/4拍子または6/8拍子(第3曲、ときに第1曲)で、生き生きとした8小節単位の主題が反復される。日本にも明治時代に導入され鹿鳴館(ろくめいかん)で踊られた。

[関根敏子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カドリーユ」の意味・わかりやすい解説

カドリーユ
quadrille

舞踊用語。本来の意味は「群」,「一団」。 (1) 舞踊家階級の一つ。上位の第1カドリーユと下位の第2カドリーユに分けられる。カドリーユは必ずグループで踊り群舞や総踊りに登場する。 (2) 17世紀の作曲家 A.カンプラや J.リュリがフランスの宮廷バレエで用いたアントレ (入場シーン) の一種。 (3) 18世紀末から 19世紀にかけてフランスで流行した舞踊およびその舞曲。8分の6拍子と4分の2拍子が交互に用いられる優雅な踊りで,男女が組になって踊る。のちにイギリス,ドイツでも行われるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android