日本大百科全書(ニッポニカ) 「カロジェロ」の意味・わかりやすい解説
カロジェロ
かろじぇろ
Guido Calogero
(1904―1986)
イタリア現代の哲学者。ローマに生まれ、フィレンツェ、ローマその他の大学で教える。第二次世界大戦中、反ファシズム活動のため逮捕されたこともある。『対話の哲学』(1962)など多くの著作がある。ジェンティーレの活動主義から出発し、その「活動」概念を実践すなわち「自覚している意志」と解する。このような活動主義の倫理的解釈により、内在主義の帰結として指摘される独在論から脱(ぬ)け出すことができるとし、積極的な課題として、他人のための自由な実践を説く。もっとも知られた著作『民主主義の諸規則と社会主義の諸根拠』(1968)が2001年に再度刊行された。この著作では民主主義、政治、人権の関係が分析されている。
[大谷啓治]